去年のもてぎフォーラムで山野さんからこんな話があった。
RRはテストをかなりやった。例えばダンパに関しては、 サーキットで縁石越えを繰り返して欲しいという開発の要望を受けてかなりの段差になっている縁石越えを繰り返し、 最後には車体側のアッパマウントが抜けてしまった。(ダンパは問題なし。)
M-TECのパーツ開発に対する姿勢を表わしている逸話だと思う。
メーカの市販車テストは普通では考えられない様な状況も想定して行なうという。
段差の走行に関しても驚くような高さだそうだし、オイルに異物を混入して問題ないか(ちゃんと濾過されるか)のテストも行なわれるそうだ。
さすがに、通常の市販車ほど想定ユーザの範囲が広くないと思われる無限のパーツでは、そこまでのことはしないだろう。
以前も書いたが、そこでの(不必要と思われる)強固さのマージンを削れる分だけ、製品の性能やフィーリングを向上できる訳である。
(このことは以前オーテックの方もブログに書いていた。)
それでも、やはり無限には、守らなくてはいけない基準があるようだ。
それは'スポーツ走行における純正レベル'とでも言えば良いのだろうか。
最近、DC5,EP8,FD2系のブレーキキットが発売されたが、
そこには拡大されたロータにきちんと対応するバックプレートまでもが含まれている。
また対向ピストンにはちゃんとダストブーツも装備されている。
通常のアップグレードパーツだったら、'バックプレートは外して'(そのほうが放熱面では有利だがメンテはきちんとする必要が出てくる)、
キャリパは1年ごとにオーバホールして、で終わりだろう。
(EK9用にSPOONのツインブロックを買ったらダストブーツが無かった...)
この、性能と(少し)アバウトなメンテを許す微妙なバランス。上記'スポーツ走行における純正レベル'というのはそういう意味である。
マフラについても、おそらくは同じなのだと思う。
無限のカタログを見れば分かるように、ほとんど全てのラインアップが、ツインループか拡張式をベースにしている。
ストレート構造だけで成立させているのはレース用を除くとほとんど無い。
単純なストレート構造にすれば、背圧制御や、音量、音質の調整は恐らくもっと簡単にできるのだろう。ただ、
そうすると経年変化による初期品質の劣化も激しくなり、車検対応等を考えると定期的なメンテナンスが必須になってしまう。
それを避けるためには、どうしてもサイズや色々な面で不利な拡張式のような形式を取らざるを得ない。
もともと左右ツインサイレンサになっているモデルはまだしも、FD2の場合には左側に大きなスペースは確保できず、
メインの機能は右側に持ってこざるを得ない。
それが、現在のRRのマフラの姿だと思う。
メインの方で温度が下がってしまうし、更にそれを長いパイプを経由して取り回しているので、焼けが均等にならないのは、
多分開発側では十分承知の上でのことだと思う。
(それでも背圧面では右側だけよりは有利なので敢えて採用したのでは?)
でも逆に言えば、きちんとまめなメンテを出来る人は、更に追い込んだパーツに置き換えていけばよい、ということもなる。
その手間と引き替えに、より魅力的な特性(性能面でも感応面でも)を得ることができる訳で、そのもっとも極端な例がレース用のエンジン、
と言うことになるのではないだろうか。


